「ゴースト アンド ダークネス」(The Ghost and the Darkness)
この映画を見たのはずいぶん前になりますが、ホラー映画のようなタイトルからの想像とはちょっと違ったアニマルパニックムービーという感じの作品でした。ただ、そこに登場する2頭の人喰いライオンが、あたかも
何か邪悪なものが憑依したかのように人間の裏の裏をかきつつ、アフリカの大地に鉄道を敷く工事のためのキャンプを幾度も襲い、
合計135名もの人間を死に至らせて恐怖と大混乱に陥れていく様はなかなか見応えを感じたものです。
「
19世紀の末・・・まだまだアフリカは暗黒大陸という感が色濃く残っている時代で、恐怖の対象となった自然現象やある種の動物たちに対して
神がかり的な畏怖を感じることも珍しくはなかったことと思います。しかし、事実と伝説の双方に残っているこの2頭のライオンについて、最近改めて科学的な分析が行われたようで、その結果、この恐怖のライオン、
Ghostと
Darknessによって食い殺された人間の数の合計は、多くても35人くらいで、135人という数は事実の誇張であって、映画に描かれているほど、また語り継がれているほどには、かの2頭は
獰猛ではなかった・・・ということが明らかになったのだというのです。
しかし、仮に
35人しか(?)殺害していなかったのだとしても、
充分すぎるほどに獰猛で恐ろしいGhost & Darknessの2頭だったといえるのでは?・・・と僕には思えるんですがいかがでしょう。まあ、今となっては当時のことを直接知る人はだれも生きてないわけですから事実は確認のしようもないですが、ただこうしていわゆる
科学的な手法というものが、それまで語り継がれてきた歴史の事実とその真実性を整理し直し、なおかつ保障するものと、本当になり得るのかと考えてみると、どうなのかな?・・・とも思います。
大自然に対しての接し方や恩恵の受け取り方を見失ってしまったかにも思える現代の人間たちは、頑なに人間を拒絶しつづける自然の驚異や、少なくとも畏怖の念を禁じえない世界がこの世にはあり、
未知のものに対しての純粋な反応として「神」や「悪魔」を感じ取っていた古来の生き物としての人間の感性を忘れてはいけないし、同時に蘇らせないといけない時期に来ているのではないかな・・・と思うことがあります。
もはや定かには解りえない出来事を解明したとしても、それは単なるひとつの見方でしかありません。ただ、こういうずっと昔の出来事が話題として登る時になとなく、時の流れの中でもしかすると少しずつズレてきてしまったかもしれない人間の立居地の不確かさや、同時に何もかも曖昧であってもその中でなにやら落ち着きどころを見出してきた人間の
「本来性」のようなものにも想いがめぐります。
135人であろうが35人程度であろうが、やっぱりゴースト&タークネスの伝説は、
恐るべき大事件であったに他ならない・・・それでいいのだという気がします。それでちょっと得しちゃっち人物がいたんだとしても、もう・・・時効です。(笑)



↑
どれかポチっとお願い
posted by フランキン at 14:40| 静岡 ☀|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
あの映画見た?この本読んだ?
|

|