2007年12月05日

からっぽの街

アイ・アム・レジェンド

からっぽの街…

ウィル・スミスが主演の映画
地球最後の男 アイ・アム・レジェンドでは
誰ひとり人の姿のない、
からっぽのニューヨークの街を演出するのが大変だったという。
風が吹き抜けるビルの谷間…
紙くずだけが風に舞うだけの多車線道路…
なんの音も響いてこない大都市の港…波と風だけの音…
自然と遠くに向けた目に入ってくる夕陽が、
だれもいなくなった世界にただ繰り返される…
オレンジ色の照り返しとシルエットが示す動きのない街並…
見渡す限り…街そっくりがそのまま真新しい廃墟…

からっぽの街…このシュールなイメージに意外と惹かれる。

実はこの「からっぽの街」を描いたエンターテインメントは、
これが初めてではない。

公開されようとしている
「アイ・アム・レジェンド」と同じリチャード・マシスンの原作を、
71年度にチャールトン・へストン主演で製作された「オメガマン」もしかり…

手塚治虫の影響を強く引き継いだ漫画家
小室孝太郎によって70年頃に描かれた漫画「ワースト」もそう。
誰もいなくなった東京の街…そこに取り残された人間たち。
その中のいくつかのシーンはリチャード・マシスンの、
「アイ・アム・レジェンド」の原作とも通じるものがある。

あの当時…核による冷戦の只中で、
全世界が同時に同じ災害に見舞われることもあり得る…
そんなことがにわかに現実味を持ち始めたようなムードがあった。
こういったイメージの映像化にはそんな背景があったのだと思う。

強く印象に残っていて、
今でも何という作品なのか知りたいと思っているものがひとつある。
一本のモノクロ作品の映画…たぶん60年代のものかと…(?)
ストーリーはハッキリと憶えているのに、
題名が思い出せない…ご存知の方がいたら教えてください。

映画映画映画

炭鉱で働くひとりの黒人の男…
ある日仕事中に落盤に見舞われ、坑道に閉じ込められる。
聞えていた救助の音がいつしか聞えなくなり、静まり返る…
希望を絶たれた男は必死で自力の脱出を試み、やっと成功する。

たった独りで狭い坑道に閉じ込められていた男は、
数日ぶりに太陽の光りを浴びる…しかしそこに人の姿はなかった。

男は人の姿を捜し求める。
都会に行けば誰かがいるだろう…
しかし、たどりついた大都会にも誰もいない。
街のどこへ行っても誰もいない…
摩天楼に登り、街を見下ろしても、なんの動きもない。

何が起きたのか…?みんなどこへ行ったのか?

男はとある放送局のビルに行ってみる。
誰もいなくなったオフィスには雑然とした日常の名残を感じる。
そしてそこで見つけたオープンリールの録音テープは、
この局で最後に放送されたものらしいニュースを伝えるものだった。
「核ミサイルが発射されました…」…男はすべてを悟る。

自分が坑道に閉じ込められていた間に世界は変わってしまった。
もう自分以外、誰もこの街にはいない…

男はひとりで生きていくことを決め、
高層の贅沢なアパートにひとりだけのライフを始める。
ショールームから高級車を拝借し、上等な服を手に入れ、
考えられる限りの贅を尽くしてひとりの暮らしに意味を持たせようとする。

しかし消し去れない孤独な気持ちが
いつでも頭をもたげてくるのを避けられるはずもなく、
高級服店からマネキンを運び出し自分の部屋に座らせる。

スーツ姿で笑顔を絶やさない男性マネキンを気取り屋と名づけ、
優雅な雰囲気のブロンド女性マネキンにも紳士として振る舞い、
友人として人形に語りかけ、会話をしようとする。

完全な自由…なにも縛るもののない毎日…
手に入れられないものは何ひとつなく…完全な贅沢がつづく。
しかし満たされることもなく、ある時男は話しかけても会話を返すことのなく、
ただ笑顔を絶やさないだけの男性マネキンに怒りを覚え、
彼を抱え上げ窓の外に放り出してしまう。

誰もいなくなった街の何も走らない道路にマネキンが叩きつけられる音…
とたんに女の悲鳴があがった。

男は自分がマネキンに表した怒りの激しさと、
久しぶりに聞いた人間の声の響きに虚を衝かれ、
思わず窓の下をのぞく…

ひとりの若い女性が砕け散ったマネキンを足元に見つめ、
恐怖に身体をこわばらせていた。
男は手を伸ばし、声をかけ、「ちょっと君!待って!」と懇願する。

坑道を脱出して以来初めての生きた人間との接触…
彼女は白人の女性で、もうずっと前から男の生活を観察していたが、
怖くて話かけられなかったのだという…
そしてこの日、見上げていた窓から人形が落ちてきたのを見て、
てっきり男が孤独に耐えかねて自殺してしまったのだと思い、
思わず叫びを上げてしまったという。

もはや世界には自分たちふたりしかいない…
そのことを悲しんでいても仕方がない…だからこの街で好きなように生きていこう。
その日から、会話のあるふたりの生活が始まった。

ある時、女性が、白く波を立てながら走るクルーザーが、
近くの港に入ってくるのを目撃する。
知らせを聞いた男は、彼女とともに車を走らせ、
接岸するクルーザーに乗っていた白人男性を歓迎する。

生きている人間がもうひとりいてくれた…3人の生活が始まる。
3人は協力して自分たちが人間らしい生活を保てるように努力する。
街がからっぽでも、3人は以前のように笑って毎日をおくれるようになった。

やがて新たに加わった白人男性が、女性への意識を強めていき、
彼女への自分の気持ちを告白するが彼女は白人男性の気持ちに応えられない。
3人での平和な暮らしを壊したくない…

白人男性は、彼女が自分に応えてくれない理由を、
黒人男性の存在が原因と短絡的に解釈してし、
女性が止めるのにも聞かずに銃を手に取り、黒人男性を撃とうとする。
自分を殺そうという白人男性から逃れ、彼自身も銃を手に取る。
誰もいなくなった大都会で繰り広げられる一対一のマンハント…そして銃声…
女性は泣きながら止めようとするがどうにもならない…

黒人男性は銃を持ち、周囲に目を配りながら、
自分を狙う白人男性から逃れようとする。
しかしやがて追い詰められてしまう。
たどり着いた場所で彼はふと目を上げる。そして壁に刻まれた文字に気付く。
それは何度も過去に読みなれた一節だった。


・・・they shall beat their swords into plowshares, and
their spears into pruninghooks: nation shall not lift up sword
against nation, neither shall they learn war any more.


彼らは剣を鋤に,槍を刈り込みばさみに打ちかえる。
国は国に敵対して剣をあげず、
戦いを学ぶことはもはやない。


国連の敷地内にあるとあるモニュメントの下に彼は立っていた。
彼が辿った文字は、人類の願いとして
かつて国連に寄贈されたモニュメントに刻印されたバイブルの言葉だった。

世界大戦によって滅びて間もない文明の名残の中で、
自分たちが再び銃を手にしていることの空しさに突然気付く黒人の男。
彼を銃口から守ろうとする女性…
その姿を目にして銃を撃つことをためらう白人男性…

時がとまり、心がふたたび通い合おうとしてうごめく…
そしてたったふたりだけの第四次大戦が終わる。
3人はふたたび平和な3人に戻っていく…


映画映画映画

後半はかなり記憶を頼りにして際限しているので、
実際とはわずかに異なっているかもしれませんが、
ニュアンスとしてはこんな感じです。
もう一度見たいのですが、
なんという映画なのか?現在でも見れるのか?全く分かりません。
映画に詳しい方がいて、もしご存知でしたら、
是非教えていただきたいです。

さてさて、冷戦が終わって久しいですが、
今回公開の「アイ・アム・レジェンド」で描かれるからっぽの街は、
いったい何を感じさせてくれるものなのか?
興味があります。
posted by フランキン at 21:38| 静岡 ☀| Comment(7) | TrackBack(1) | あの映画見た?この本読んだ? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
さすがフランキンさん、映画にお詳しいですね。

私もこの「アイ・アム・レジェンド」を観に行く予定です。
ストーリーは大まかにしか知りませんが、
私が観たい!と思った理由は、
1. ウィル・スミスは、好きな俳優の一人であること
2. 犬の中で最も好きなシェパードが主演(主犬?)で登場すること
という、非常に単純な理由です。(笑)

フランキンさんがタイトルを知りたがっている映画が
何という映画か判明するといいですね。
Posted by Keiko at 2007年12月06日 22:00
Keikoさん
見に行ってください!
やはり映像表現は今はますます説得力がだせますからね〜
ボクも楽しみです。

ウィル・スミス&シェパード!
keikoさんのアイドルがそろっちゃったわけですね〜^^
それじゃ行かないわけにはいきませんよね!

>フランキンさんがタイトルを知りたがっている映画が
>何という映画か判明するといいですね。

やけに年代モノになっちゃうと思いますしね〜
でも、だれか教えてくれないかな〜♪
Posted by フランキン at 2007年12月07日 01:52
一年前以上のエントリーにコメントしても反応無いかもしれませんが、私もこの映画の題名をずいぶん前から、調べてるんです(毎日調べてるわけじゃありませんが・・・)
私の記憶は、ここまで鮮明ではなくて。
・白黒映画だったと思う
・主人公が炭鉱に閉じ込められてしまった
・炭鉱を抜け出したら、街には誰もいなかった
ぐらいだったんですが、これらのフレーズにマッチ(検索にヒット)したのが、このエントリーでした。
この一年の間に、映画の題名は判明したのでしょうか?気になります。。。
Posted by mamosuke at 2008年12月25日 15:16
ちょっと気合入れて調べたら分かりました(^^;;
『SF地球全滅』
原題:THE WORLD, THE FLESH AND THE DEVIL
でした。
残念ながらVIDEO/DVD化はされていないようですね・・・
Posted by mamosuke at 2008年12月25日 16:28
mamosukeさん
いや〜うれしいですよ!
もうすっかり忘れられてるだろう映画作品に関心をもって、
同じく捜していた人がいたなんて!
なんか不思議にびっくりです。
それにしてもよく辿り着いてくれましたね〜

分からなかった映画タイトルまで見つけていただいてありがとうございます!
今日の今この時まで、題名は全くわかりませんでした。
おかげさまでスッキリしましたよ^^

で、早速お知らせいただいたタイトルで改めて捜してみると…
ありました!ありました!
YouTubeでたっぷり見れるようです。
http://jp.youtube.com/watch?v=25xsA5KS390&feature=channel_page

このトレーラー以外にも、10本に分けて全部見れるようにもなってるみたいですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=ECqF6ZB-jmk

キャスティングを見ると、なんと主人公の黒人は、ハリー・ベラフォンテじゃありませんか!
通りでいいノドを聴かせてくれていたもんです。

mamosukeさん!情報本当に感謝です!

それにしてもこの映画のからっぽのニューヨーク…
アイアムレジェンドを既に越えてますね。
Posted by フランキン at 2008年12月25日 19:30
当日にレスがあったんですね・・・・
すいませんでした。
で、Youtubeの情報ありがとうございます。今日から通勤電車の中で見ようと思います(^^)
Posted by mamosuke at 2009年01月22日 22:48
mamosukeさん
トラックバックありがとうございました!
ちゃんと表示の承認処理をしてあるんですが、
seesaaブログって、反映が遅いみたいなんですよね〜
何日も何週間もかかった時もあります。
でもトラバはありがたくいただきましたので、反映されるまでしばらくお待ちくださいませ。

YouTubeでちょこっと振り返ってみましたが、この記事のボクの記憶もかなり正確なものに近かったな〜とニンマリ感じてます(笑)
それにしても、あのニューヨークはすごい…からっぽだ。。。
Posted by フランキン at 2009年01月24日 17:20
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