少年の頃の一時期に毎週金曜日の深夜に聴いていたTBSラジオのパックインミュージックのパーソナリティ、ナッチャンチャコチャンこと野沢那智さん&白石冬美さんのトークは、僕にそんな意味を持っていた。
大人の日常がそうなのと変わらず、年端のいかない少年少女にだってそれなりにいろいろある。いろいろある中で自分が昨日と同じく今日だってそしてできれば明日だって元気で楽しくいられたらどんなにいいか・・・なんてことは分かっているのだけど、ときどき乗り越えなきゃいけない気持ちを持て余したり、しばらくのあいだ自分を誤魔化したり見直してみたり、そんなことが必要な夜だっていくつもあった。
(シェアした1971年の「金曜パック」OnAir音源はあまりに貴重!ふたりのトークはもちろん流れる音楽にもCMに至るまで、あまりに宝モノ過ぎる!)
ラジオから聴こえてくる声というのは、聴いている大勢に向けてのものであるのは分かってるのだけれど、深夜に生放送のラジオトークを聴いていると、それでも「わたし」に向けて語り掛けられているように思えていたから今振り返ってみると不思議だ。語られた話題にしろかけられた音楽にしろ、それは「わたし」とスタジオでいま喋っているふたりとの共有であって、それをハブとして繋がっていた同じ楽しみを分かり合える誰だか知らないけど多分直接会ったなら友達になれたかもしれない彼ら彼女らとの交友そのものだったのだと思う。
アラン・ドロンの声の吹き替えでも知られていたナッチャンこと野沢那智さんが9年ほど前に亡くなって、そして今日はチャコチャンこと白石冬美さんが亡くなったというニュースが入ってきた。
彼女の声からのイメージは人によりいろいろかもですが、僕の場合はアメリカのTVドラマ《funny face》邦題「すてきなサンディー」の明るくキュートなサンディ・ダンカンでした。
ずいぶん救われた気がする・・・白石冬美さんの声には。。。
天国でナッチャンと再会して「金曜パック」、また始めていて欲しいな・・・どうぞ安らかに。。。