2011年06月24日

雨に隠れた満月を偲びながら出羽三山にかかる月を音楽で物語りつつ・・・ミステリーに惹かれた旅の香り・・・

何かとバタバタしていて、
一週間ほどWebから遠ざかってしまいました。
なので先週のノアノアの放送後記が今ごろに・・・(汗)

満月になるはずの16日・・・日付が変わったばかりの時間にはまだ月が丸く輝いて見えた。
満月になるはずの16日・・・日付が変わったばかりの時間にはまだ月が丸く輝いて見えた。

6月16日(木)満月満月の日になるというのは、
数日前からの月の移り変わりを見て気づいてましたが、
まさかその同じ日の早朝に皆既月食が起きる日でもあるとは、
前日まで知りませんでした。
結局曇りから雨になってしまって、
月食も満月も見れなかったんですけどね。

第3木曜日のノアノアは
トラベルキャスターの津田令子さんをお迎えして、
津田令子の旅の香りのコーナーとしてお贈りしているのですが、
これまでも、熊野古道・・・安曇野・・・と、じつに様々なところに
スタジオから飛んでいきました。
そして今回は、山形県・・・出羽の國として知られている、
出羽三山・・・そして電話で声を届けてくれたのは
羽黒山に位置している休暇村羽黒の支配人、
小森克敬(かつゆき)さんでした。
この日、出羽三山を取り巻く空は、
雨の熱海とは打って変わって綺麗に晴れてくれているとのこと。

出羽三山・・・そこに数えられる3つの山の名は
湯殿山、羽黒山、月山・・・
おそらく日本中でその名を聞いたことがない・・・という人は
多分それほど多くはないと思います。



僕フランキンは、まだ出羽三山を訪れたことはないのですが、
でもイメージは持っていました。
その魅力をよく知る人たちからすれば大変恐縮なのですが、
僕の中ではとてもミステリアスなイメージを彷彿させる名前だったのです。

1984年に公開され人気を博した角川映画で、
湯殿山麓呪い村・・・という作品がありました。
この地方に今も残っている即身仏(僧侶のミイラ)の謎から始まる
ミステリーサスペンス映画でした。
実際にはこの映画、見ずに終わってしまったのですが、
テレビのCMでも充分その物語の雰囲気は伝わってきたのを憶えています。
なので僕の中で出羽というところは、
過去が謎に満ちた物語として訪れる人をいざなうようなところ・・・
そんなイメージありました。
そして僕はかなり・・・
そのような惹かれ方を魅力的に感じてしまうひとりでもあります。

スタジオに置いてあるギターを抱えてみた令子さんとネロリなのだ。

古くから(おそらく数百年も前から)山岳信仰の中心地でもあり、
時代を超えて多くの修験者たちが今も昔もこの山々で修行をし、
湯殿山には今でも自らミイラとなったとされる
即身仏が実際に残されている・・・そんなこの地の歴史に触れて、
何かおどろおどろしい物語を書いてやろう・・・と、
推理作家たちがと意気込んだとしても少しも不思議ではありません。

山岳信仰がそれだけ土地の人々の歴史と文化に大きな影響、
そして遺産とも言える文化、風景を今に残すというのは、
紛れもなくこの山々が、人間と人間の強さと弱さ・・・
まさにその生き様を試す場所ともなり得るほど
偉容を誇る自然の美と厳しさを持っているからに違いない・・・


そんな想いが湧き起こってくる中・・・
電話を通して熱海のスタジオに届けられた小森さんの声は、
じつに穏やかで、優しい僧侶の諭しのような響きを含んでいました。
小森さんが支配人を務めている休暇村・・・
現在は36ヶ所が日本の各地で運営されており、
小森さんは各任地の休暇村でもう長い間、
津田令子さんがよく言うように、
まさに暮らすようにして旅をしつづけ仕事をしてきた人です。
そしてそんな小森さんが今年の4月から新たに赴任されたのが、
羽黒山に位置する休暇村羽黒だったのです。

さて・・・長い長い、そして意味の深い歴史・・・というものは、
すでに終わってしまった事々が
記録や記憶として後に残っていくだけのものではないのだと
僕は常々感じるのですが、皆さんはどう思われますか?

特に、厳しい自然と人との関わりから育まれる精神性や、
何時の世にも変わることなく在る生における困難に面して
人として当然求める救いと解放・・・そして安らかであること・・・
時代がどんなに便利で豊かな社会を作り上げても、
人の基本的な必要というものは
それほど大きくは変わってはいないと思います。

今の時代・・・
便利さや豊かさの追求が相当の割合で実現されていて、
もはや見えないもの、人間の手によって計測できないもの・・・
お金やクレジットで買えないようなものは
あたかも現実感を失ってしまったかのような見方もありますが、
小森さんのお話を聴きながら、本当にそうだろうか・・・?
・・・と、改めて感じさせられました。

出羽三山のそれぞれの山頂には、古からの神社があり、
よく時代劇などにその姿を目にする山伏(修験者)たちが
古来より多く訪れて行を積んできた霊地でもあります。
しかし、そんな一見過去に属するかのような山伏たちの姿は、
じつは今でも変わらずにあるのだそうです。

小森さんが羽黒に着任して気づき、驚いたのもそのことでした。
今でも山伏という存在がとても身近に感じるのがこの羽黒・・・
ごく普通の町の人たちが、じつは山伏だった・・・
ということが、よくあるのだそうです。
年に何度か行われる山伏になるための一週間の山籠もりなども、
参加する人たちが絶えることがないのだそうです。
そして昔と変わらず・・・
語るなかれ、聞くなかれの掟は生きており、
山伏の修行の中身が外に漏らされることはありません。
(出羽文化会館にて、山伏の歴史や資料を見学することは可能です)

これは深い歴史を持つ日本の土地々々の多くが、
旅人を迎える観光地として生きていくことにもつながる、
とても貴重なひとつのカタチだと、お話を聴きながら思いました。

歴然として在り続ける歴史の延長が今という時に至り、
なお且つ今を通り過ぎてこれより先にまで及んでいく・・・
開かれた部分となお秘されたままの部分が同時に在り、
そしてその姿の実像は侵されることのない謎を伴い
旅人の心を惹き寄せていく・・・そこにはやはり、
語られていくべき物語を感じます。

さてさて、先に触れましたが、
この放送日だった16日は、満月の日・・・
月とくれば、やはり三山のうちの月山(がっさん)の名が、
どうしても浮かび上がってきます。
トム・ウェイツのグレープフルーツムーンをOnAirして、
月山ではこんな風なグレープフルーツムーンが見れるのでは・・・?
などと期待して小森さんに、どんな月が昇るのか?
なんてバカな質問をしてしまいましたが、
それへの答えはまたまた興味深いものでした。

どうやら月山と月というのは
切っても切れない関わりというか縁があるのだそうです。
今年(2011)はうさぎ年・・・
月山そのものが実はうさぎ年に開山されたといわれ、
今年はそのうさぎ年ゆえに、卯年御縁年ということで、
12年に一度のうさぎ年・・・今年お参りする方にとっては、
12回お参りしたのと同じほどの意味があるのだそうです。

出羽三山についてのお話・・・とくれば、
やはり、先に挙げたミステリー映画の題材にもなった、
即身仏・・・についても訊かずにはおれません。

現在も数体残っているという即身仏ですが、
小森さんの話によれば、厳しい自然と社会環境の中、
人々の心の拠り所として民衆を助けてきた僧侶が、
死してもなお民衆の救済のためにと
命を差し出したという説が有力なのだといいます。
謎というものは人を惹きつけますよね。
こんなにミステリーが幾つもある土地。
出羽三山・・・僕もネロリにとっても、
ぜひ行ってみたいと思う地のひとつに加わりました。

小森さんが羽黒に来てまだ2が月ほどです。
でも静かな声でお話いただいた多くのことから、
この羽黒という土地に対する小森さんご自身の関心の強さ・・・
そして、この土地を人の訪れる場所として
いっそう人々へ知らしめるための責任感を感じました。

しかしそれは大上段に振りかぶって文化や歴史の大切さを
あたかも語り飛ばすようなものでは少しもなく、
自分自身がこの土地に住み、此処を知ることを楽しみ、
大きな歴史と精神性に微かにでも触れることが、
どれほど人を豊かにすることにつながっていくのか・・・
それをご存じであるゆえの余裕のようなものを感じます。

また、休暇村羽黒の支配人という仕事をこなしながら、
過去から今、そして未来に至るまでも、
歴史を積みつづけていくこの出羽三山とそれにまつわる様々に、
せっかく身を置いているこの地の様々の中に、
自身もその一部と化して今を過ごしていこうとする愉快さも感じました。

羽黒山にお参りする時の参道は、
二千四百四十六段の石段になっており、
長さでいうと1.7キロほどで一時間以上登り続ける
大変な石段なのだそうです。
それが2009年にミシュランのグリーンガイドジャポンの
三つ星を頂いたのだというとを聞きました。
素敵なことですね。

日本という国には、それぞれの地方に、日本人だけでなく、
世界の人々を魅了する素晴らしいものを幾つも見いだせます。
星が付く・・・認知される・・・評価される・・・
それはとても素晴らしいです。

でもいつもふと考えさせられるのは、
ごく普通の日本人である僕ら自身がその素晴らしいものの数々を、
自ら知り、見つめ直すことの大切さです。
僕らは自分の住んでいる土地やそこに在る様々なものや風景・・・
それを本当にどれだけ知っているでしょうか?
それを確かめずに・・・深めることをせずに・・・
どれだけ多くの手法やテクニック、表現の言葉を考えても、
永続的な力とは成り得ないのだと思います。

少なくとも、訪れた人に対して、自分の住む土地についての様々を、
嬉々として語ることができるようでありたいと思います。
観光事業に関わりがあるかどうかは別として、あなたは、
自分の場所、日々目にするものについて、
何をどれほど知っていますか?
小森さんが語られる出羽三山というワクワクするミステリーと、
時を越えて受け継がれていくであろう物語に満ちた風景に、
そんなことを感じさせられた、6月16日(木)のノアノア
津田令子の旅の香りでした。


メッセージを贈っていただいた皆さん、
本当にありがとう!!

16日お贈りしたナンバーは、
雨で見えない満月を偲んで、
にかかわる曲を幾つか選んでみました。

サーチ(調べる)LeAnn Rimes

 るんるんCan't Fight The Moonlight


サーチ(調べる)シン・スンフン
 るんるんIs This Love


サーチ(調べる)Rod Stewart
 るんるんMoon River


サーチ(調べる)Tom Waits
 るんるんGrapefruit Moon


posted by フランキン at 23:59| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 津田令子の「旅の香り」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。