やはり乳香(フランキンセンス)…
それとゼラニウムも微かに…
古代に珍重された香りを
今もその頃の記憶の名残を含んで触れることが出来る…
そういうのもアロマの楽しみのひとつで、
タイムマシンのような楽しさがあります。

物語は古代の人々の残り香のようで、
五感のうち嗅覚は
そのストーリーの欠けた部分をつなぎ合わせて
既に地上にいない人々の存在を蘇らせることができる。
自分が今触れている香りを古代の人たちが感じて何を思ったか…?
そんなことを考えるとおもしろいです。
たとえば今日のフランキンセンス…
宗教的、また精神的な、また他の公式な習慣の中心に、
フランキンセンスの香りはいつもありました。
香を炊くという行為…
古代では祈りを象徴していたました。
ゆらゆらと立ち昇るけむりはその芳しい働きかけの点で
人が祈りをささげるのに似ているとやはり思います。
現在でもフランキンセンスを
瞑想の時などに香らせる人は多いようです。
シバの女王はソロモン王への贈り物として乳香を贈り、
ソロモン王は詩(バイブルの「雅歌」)の中で
「乳香の丘」という場所に触れています。
そんな珍重された香をめぐっての
古代の人々のやり取りに想いをはせてみると、
荒涼としたアラビアの長い道程をコツコツと香りを運んだ
隊商のラクダの姿が浮かんできます。
月の砂漠…の光景なども…
香りが呼び覚ます古代の人々の想いと物語…
物語は残り香…香りはタイムマシン。。。