2009年10月07日

ある嵐の真ん中の記憶

ずいぶん前の嵐の記憶です。

2004年台風22号
2004年10月の台風22号もすごかった。記事の台風とは別

目が覚めた・・
昨日から長くつづいていた暴風雨がいつのまにか
静かになっている。

あれ? 台風・・もう過ぎたのかな?

雨と風の音は静かになったようだが、
何か聴こえてくる・・外が騒がしい・・
何やら外でいつもよりも騒がしい近所の人たちの声
風と雨の音は凄かったが、聴こえてくる音のタイプが
変わっていた・・

そうか・・それで目が覚めたのか・・

時計を見ると、もう正午に近い・・そんなに眠ったのか!?
眠い目をこすりながら、少しだけそっと窓を開けてみる・・
目の前を・・船が走っていた・・

!!?ずいぶん前・・神奈川に住んでいた時
日曜日に予定されていた仕事が台風のためにキャンセルになり
その日は当時住んでいたアパートで
一日ゆっくりゴロゴロしていようと決め込んで
目覚ましもかけないで寝坊していた時の経験です。
実はこの時間・・ボクの住んでいた場所は
台風の目の真っ只中にあったのです。

驚きとともに外に出てみる・・
空を見上げると、黒い雲がもの凄い勢いで移動している。
でも、風が少ない、顔に感じる空気はじっとりと湿っている。

ボートが3つほど、人やモノを乗せて目の前を過ぎていく
近所に住む親しい友人の家族が心配だ・・
流れはそれほど強くないように見えたので
水に足を踏み入れて、友人の家の様子を見にいくことにした。
水はに褐色に濁っている。ふと・・

コーヒー牛乳のようだな・・

なんて思う。
水は膝の高さを越え、すぐに腰、腹の辺りまでになり
やがて胸まで浸かってしまった。
流れは強くないのだが、なかなか前に進めない・・
水面に見えている白い鉄のフェンスに近づき、
それを頼りにゆっくりと進む・・
いつもは数秒で移動するところを、
長い時間をかけて注意深く進みつつ曲がり角を折れ
さらに進む・・視野が開けた・・すごい・・
突然ものすごく怖いことが起きているんだという実感。
公園や畑、駐車場などがあったはずのこの路沿い・・
もう路は見えない・・目に入ってくるのは
見渡す限りのコーヒー牛乳のような突然現れた海・・

水の中に、なぜかバスが停まっている・・
ここはバス通りじゃないのに・・
どうやら近くの河沿いの道路を走行中に、
溢れた水に襲われ、
強引にここまで入って水から逃げようとしたらしい・・
追いつかれたような感じで、妙な角度で水の中に停車している。
車体の高さの半分くらいが水没、
乗客の気配は・・?・・もう脱出したらしい・・
でも、運転手は逃げるのが遅れたようで、
バスに近づくボクと、水の中ですれ違った。
乗客を避難させ、自分は最後になったということのようだ。

友人の家まで、なんとかたどり着いた
友人家族は家の中にいた・・
2階に逃げ込んでいる。
1階はもう畳が浮いている状態
家の外の水面が、そのままドアを開けた家の中までつづいている・・
奇妙な非現実感・・こんなことって、あるのか?
友人もその家族も一応みんな元気で、
このまま水が退いてくれるのを待つという。

また同じように用心深く水に胸まで浸かりながら
さっき来た道(だったところ)を戻る・・
いつもは3分で歩いてしまう距離に
いったいどれくらいの時間がかかったのだろう・・?

アパートに戻る。
空は相変わらずめまぐるしい・・
雲が渦をまいているように見える。
あと少しすると、台風の中心から脱し、
それと共に今までとは逆向きの暴風が吹き始めるはずだ。

町や家の存在などお構いなしに通り過ぎていく
想像を絶する水の流れ・・水かさはますます高くなっている。
どれぐらいまでいくのか?

何かが聴こえる・・少し切羽詰った犬の声・・
気になって、声のする方向を辿ってみる。
再び水に腰まで浸ってしまう。
ジャブジャブと水を掻き分けながら、
明らかに危機感を募らせている犬の声に近づいていく。

声は、玄関ドアの半分ぐらいの高さまで水没した、
一軒の家の庭から発せられていた。
錠が外から下ろされた、頑丈な鉄格子の犬小屋。
身体の大きなシェパード犬が1頭、その中にいた。
首輪にはクサリもつながれている。
水位がどんどん上がりつづけ、あと少しで
犬小屋の天井にまで達しようとしていた。
飼い主は外出中で、家には誰もいないらしい・・
犬が吠えてくれて良かった。見つけられて良かった。

早速小屋の錠をはずしてやり、クサリも外してあげようと、
キュウキョウと声を挙げるシェパードに近づいた。
自分を飲み込もうとしていた水にすっかり怯えた犬は、
度を失っているのか、クサリを外そうとするボクの手を
カブリと噛み付こうとする。
水位はまだ上がっている、天井はあと少し、
こっちもクサリを外すために屈んでいるので
胸まで水に浸かったまま、犬もボクもそれこそ必死だ・・
やっとクサリが外れると・・
今度は犬が小屋の奥から出てこようとしない。
よっぽど怖いんだな・・
仕方がないので、強引に抱きついてシェパード犬を抱えて
そのまま外に出す・・また何回か噛まれる・・
それでも、やっと自分を助けようとしてくれているらしい、
そう悟ってくれたようで、ボクの腕の中でおとなしくなった。
大きな犬が、抱かれながらぶるぶる震えているのが哀れだった・・

水は夜になるまで退いてはくれなかった・・
そしてやがて風も雨も再び強さを増し、
暴風雨が戻ってきた。
今夜が過ぎても・・この辺りは大変だな・・
そう思いながら、ボクはアパートに戻り、濡れた服を着替えた。

もうずいぶん前のことだけど、
忘れられない記憶ですね。
水の力って、凄いです。
驚きました。

その後の護岸工事により、水害が防がれていたこの同じ土地が
2004年の台風22号の時には
再び氾濫した河の水に飲まれたというニュースを聴きました。

*****

災害に100%の大丈夫は、ないんですよね。
大きくて強い台風18号が接近してきています。
東海地方も明日には影響をうけそうです。

皆様、お気をつけて…


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 音楽ブログ ネットラジオへにほんブログ村 音楽ブログへ
どれかポチっとお願いわーい(嬉しい顔)
posted by フランキン at 18:00| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | Diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック