2009年09月22日

「終身犯」バート・ランカスター、そして久保保夫さんのこと



昨夜というか未明にブログをメンテしながらテレビをつけたら、子供の頃に見たきりの懐かしいモノクロ映画に再び出会いました。邦題は「終身犯」(Birdman Of Alcatraz米)、62年度作のアメリカ映画です。実在の犯罪者ロバート・ストラウド(Robert Franklin Stroud, 1887年1月28日 - 1963年11月21日)という人物の半生を描いたものなんですが、僕は彼のことが大好きになり中学生くらいの頃などは「尊敬する人は?」と訊かれたならいつも彼の名を挙げていました。卒業アルバムにもそう書いていたりします。誰も知りませんでしたけどね。

粗暴な殺人者が、自らの生き方に放心したように、
嵐の中、房内の小さな庭をずぶ濡れになって歩く。

倒れた樹の枝にあった鳥の巣の中に見つけた一羽の小鳥…
この小鳥との出会いが、後の彼の人生を大きく変えていく。


刑務所内で人生を改め、やがて鳥類学者として名をはせるようになったロバート・ストラウド。殺人者から学者へ… 終身刑であるゆえにすべてを刑務所の中で成し遂げていった彼の生き方…完全に壁に閉ざされてしまったように感じる人生にも切り開く道が常にあることを教えてくれる秀作です。それにしても、ひとりの犯罪者が後々までしかも海を超え時を超え、未だにその生き方に強い印象を残しているとはこの人物、実に数奇というか不思議というか、人間の過去など必ずしもその人を決定づけるとは限らず、いつでも新しい自分を創っていけるんだなぁ〜などと励まされたりもします。

実在の犯罪者ロバート・ストラウドの数奇な人生を描くこの作品。滲み出る心の変化を寡黙に演じたバート・ランカスターの演技は実に素晴らしいものでした。粗暴であったロバートのごつい手が、小さな小鳥を傷つけまいとそっと扱う姿は、彼の目にたたえられた物柔らかさとともに彼の中で「何かが変わった」ことを実に無理なく観る者に伝えてくれます。ゆっくりと時間をかけて、手の震えさえ見えてきそうな演出はじつに味わい深いものでした。



ところで強く記憶に残る映画のほとんどをテレビでみた僕は、当然のことながらその多くを日本語吹き替えでみています。この「終身犯」という作品にこれほどまでに心を捉えられたのは、ロバートを演ずるバート・ランカスターの声の吹き替えをしていた久松保夫さんの声の魅力に拠るところも否めません。というか、本当にあの人の声は大好きでした。たぶん、「スターとレック」のレナード・ニモイなどの吹き替えの声を憶えている人もいるんじゃないかな?いつのまにか声を聞かなくなってしまったなぁ〜と思っていたところ、1982年にはもう他界されていたのですね。

真夜中にふと少年の頃に抱いていた新鮮で純粋な気持ちがよみがえってくるような感覚…映画とは、一度で見終わって終わってしまうものではない…そういうことをそっと気づかせてくれるひと時でした。

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posted by フランキン at 12:04| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | あの映画見た?この本読んだ? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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