2009年09月05日

「THE BIG COUNTRY」に感じるメッセージ

最近スターチャンネルのキャンペーンがあって3ヵ月だけ(で終われるか?笑)のつもりで体験視聴してるんですが、大好きな映画が放映されたんで、思わず再び見てしまいました。前に書いたものですが、もう一度紹介しちゃいます。

作品は、「大いなる西部」原題「THE BIG COUNTRY」大いなる西部.jpeg「ローマの休日」また「ベン・ハー」などの、 映画史上に残る名作を手がけたウィリアム・ワイラー監督による1958年製作の西部劇の大作。アカデミー助演男優賞受賞(パール・アイブス)、雄大なテキサスの大地を背景に流れるテーマは現在某お茶のCMでも使われている。

自分の権利を守るためには、闘って相手に「勝つ」ということが、最も自然であり当然という風土。そんなテキサスの大牧場主の娘パットと婚約し、東部からやってきたひとりの船乗りの男ジム(グレゴリー・ペック)・・荒ぶる西部の男たちの中にあって、挑発に乗ろうとしない婚約者に苛立ちを隠せないパット(キャロル・ベイカー)。

厳しい自然の中、ひとつの水源をめぐって対立するテリル家とヘネシー家・・皮肉にも、東部から訪れたジムの存在をきっかけに、積年の争いが激しくなっていく・・

1870年代・・夜明けを迎えて変わっていく大西部。この映画は、そんな時代に、自分と全く習慣が違う文化の中にあって、自分の在り方や価値観を決して左右されないままの生き方をした男が、やがて周囲にまでその影響を静かに拡げていく姿を感動的に、そして実に格調高く描いている。

ある意味この作品は、今こそ大切なメッセージを伝えていると思う。力による解決・・報復の応酬・・100年前の西部と変わらない風潮が根強く見え隠れする現代。戦うこと、暴力を振るうということを、問題の解決法として選択しようとしない、主人公のジムの生き方は現代に至っても痛烈なメッセージを発していると思う。

100年前の西部を50年前に描いたこの作品。見終わって改めて、近年の世界で起きた出来事を振り返り、人間は相変わらずなことをやってるのだなぁ〜と思ってしまった。みな、心の中では答えを持ってるはずなのに…ラストシーンで、広大な地平線を見つめるジム・マッケイとジュリー。果てしなくつづくTHE BIG COUNTRYに、100年後の今、アメリカ人はどんなものを築き上げてきたのだろうか…?

大いなる西部ラスト.jpg
どうしても西部劇というと、ガンマンや決闘、インディアンの襲撃、というような定番のものを予想してしまうけど、この映画はまったく違う。まるでシェークスピア劇のように(←これは故 淀川長治さんのTV解説にあった表現)、男女、男と男の確執、親子、郷土愛・・等々がきめ細かく描かれているように思う。製作されてからかれこれ50年が経っている作品だけど、多くの人に見てもらいたい映画のひとつだ。

好きな場面を幾つかあげると・・(未見の人は注意!)ひらめき







敵意を抱く牧童頭のスティーブ(チャールトン・ヘストン)とジムとのの殴り合いが、
遠おくからのカメラのショットで延々と続くシーン。
スクリーン一杯に広がる夜明け前の誰もいない大草原で、
虫けらのように小さく映し出され、いつまでも殴りあう場面は、
大自然の中で、人間同士の争いというものが、
いかに小さなことであるのか・・?
少し滑稽に、実に説得力をもって描かれている。

ジムとパットの婚約披露パーティで、
テキサスの大地主のひとりから、
「ここより広いところなど知らんだろう?」
と自慢されるシーンも好きだ。
「知ってますよ・・」
「とこだね?」
「海です・・」
視点と視野の違いから、
ジムという主人公が持つ価値観をチラリと垣間見せる。

あと、この映画の中で
ジュリー・マラガンを演じているジーン・シモンズ
美しいですね。
posted by フランキン at 18:40| 静岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | あの映画見た?この本読んだ? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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