
いい話です。
ほんのりとあたたかくて、自分が広くなって
いろんなものを受け入れられそうな気がしてくる物語。
人にはそれぞれ在り様というのがあって、
同時にいろいろな都合というものを背負っていたりするものです。
そして誰かの在り様は誰かにとっては受け入れ難かったり、
誰かの都合は誰かの不都合だったり…
そんな互いの違いに心を乱したり、乱されたり…
自分自身の日常の一こま一こまをザックリ切り取ってみれば、
多分この物語に登場する人々が日々感じていることは、
決して特別なことなどではなくて、
むしろとても身近な感覚と思えるはず。
だからひとりひとりの想いになにかしら共感を覚えます。
家族、近隣、学校、職場…
時には怒ったり、泣いたり、喜んだり、悲しんだり…
誰もが毎日そんな心の風景を持っているのに、
互いを知り尽くすことなど出来るはずもなく、
それはどんなに近くても一定の距離として確かに人を隔てていて、
それぞれの軌道からは互いの一面しか見えないままに、
ひたすら宇宙を航行する星のようです。
軌道を外れた隕石がひとつ…槙野家の家に落ちた。
その文字通り降って沸いた出来事から、
それぞれが少しずつ目を上げ、軌道から一歩踏み出し、
見えなかったものが見えてくる。
その過程がすごく心地よく、そして爽快に描かれています。
どんなにすれっからした世の中でも疲れきった毎日でも、
人はやっぱり、互い同士が救いなんですね。
お互いがちゃんと見えることって、ある意味奇跡なんですよね。
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