2008年10月01日

じわじわと滲みこんでくる不安と恐れに満ちたスリラー



ドイツの作家セバスチャン・フィツェックの処女作
原題は「Die Therapie」
そのタイトルの通りひとつのセラピーが中心に展開するスリラー。

物語に翻弄されるのが好きな人なら
是非手にとって損はない作品です。

愛娘の失踪に失意の精神科医が独り滞在する小さな島…
精神を病んでいるという謎の女が現れ、
彼女のセラピーを始めるとともに、
彼の周囲で次々と起こる不可思議な出来事。

たった今目にしたものさえ信じられなくなる。
いったいこの島で、自分に何が起きているのか…
矛盾し尽くした現実が途切れなく出現し、
文字通り往き場を失う感覚は読み手の側にも
じんわりと滲み込んで来る不安と恐れを生じさせます。

孤島…謎の女…嵐…雷鳴
そして極限の精神状態へ

スリラー作品の常套ともいえるアイテムやシチュエーションは、
逆に一気にのめり込んだ読書をしたいと思う人には
待ってましたの読書体験を提供してくれるはず。
いったん読み出したら止まらないのは確かです。
映画「アイデンティティー」などがお好みの方にはお奨めですね。

ちなみに、
読後に目にした謝辞に現れている作者の姿勢と感覚は、
非常に好感を抱きました。彼の他の作品も読んでみたいです。
posted by フランキン at 21:20| 静岡 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | あの映画見た?この本読んだ? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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