〜「不思議なものだ、ライオンがもうこの世にいなくなるのかと思うと」〜
フィリップ・ワイリーとエドウィン・パーマーによって1932年に書かれた小説、WHEN WORLDS COLLIDE (邦題「地球最後の日)の冒頭の辺りで、壁に掛けられたライオンの剥製に目をやりながら、ある天文学者がつぶやくようにして発する言葉です。小学生の頃にこの物語のジュナイブル版の翻訳本を読んで、何気なく発せられたこの台詞が醸し出す意味合いが強烈に印象に残ったのを今も憶えています。当時の僕にとって、ある日を境にして慣れ親しんだ周りの世界がガラっと変わってしまう・・・そんなことが有るかもしれない、と想像することは、違和感と緊張感の混じり合ったジワジワとした非現実をつき付けてくるものに思えました。
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