出羽三山は、月山、羽黒山、湯殿山の総称で、
古くから山岳修験の山として知られている。
開山は1400年前にさかのぼる。
三山の主峰は標高1984メートルの月山。
その山頂に神社が鎮座している。
ご祭神である月読命は、月を象徴する神として
「夜」「海」「魂」「死後(命の再生・蘇えり)の世界をつかさどり
天下泰平、国家安泰、五穀豊穣などに霊験あらたかといわれている。
7月1日の山開きには白装束の参拝者の姿が、たくさんみられる。
湯殿山の標高は、1504メートルで月山に連なり、
中腹の渓流のほとりに神社がある。
この地は、修験道の霊地であり、
「語るなかれ」「聴くなかれ」と戒められた清浄神秘の世界なのだ。
そのひとつの現れが、参拝の際、
靴を脱ぎ裸足になってお祓いを受けてからでなければ
お参りが許されないことだ。
俗世とは切り離された聖地なのである。
(津田令子著『日本を旅する浪漫紀行』文芸社ビジュアルアートより)

放送で、伝えきれなかったことの一部です。
神々の宿る街を訪ねてみませんか。
津田令子